2010年05月15日

バスと自転車を中心にした交通維新と意識革命



人間とは、つくづく身勝手な者だと思う。

住宅業の初期の頃は、まずツーバイフォーのお客を開拓しなければならなかった。
そして契約が取れれば、今度は現場で大工さんや職人さんを研修しながら、毎日のチェックが欠かせない。
施主宅への夜訪と現場回りで、年間4万キロから5万キロはサニー車を飛ばしていた。
そんな生活が10数年も続いた。

そして、R-2000住宅専業ビルダーに変わって、施主宅を訪問する必要がなくなった。
快適な展示場での打ち合わせを、施主の方から求めた。
除加湿機能付きのセントラル空調換気の室内環境を体験すると、もう後戻りは出来ない。
つまり、モデルハウスで1時間座っていると、「風」を感じない冷房や暖房の快適さが、身にしみる。
モデルハウスに黙って1時間座ってもらうだけで、ファンになってもらえた。
そして現場が増えるので、チェックのために車を飛ばす機会が増える。
常に20棟以上の現場が動いており、今度はワゴンRで飛び回った。

住宅業は、極論すると勤務時間の半分は車に乗っているのが仕事という世界。
設計業務はそれほどでもないが、現場監督やチェック業務は、運送業と変わらないほど車を乗っている時間が多い。
CO2を排出している産業の一つ。
しかし、そのおかげで東京、神奈川、埼玉の範囲なら、カーナビがなくても自在に最短距離を運転出来るようになった。
「地回りの道」と呼んでいた裏道を、ほとんど覚えた。
今でも全国の仲間が、同じように車中心の生活をしている。

車生活を続けていると、足腰が弱くなる。
歩きたいという欲求が高まってきてウズウズする。
このため月に最低3回は、ゴルフ場でワン・ハーフを歩いた。
プレーよりも歩きが目的。
そして、第一線を退いた現在は、ゴルフをしたいとは考えなくなった。
毎日、最低6000歩は歩ける時間がとれ、ストレスがなくなったから・・・。
そして、街の中を歩いたら、車道と歩道が分離していて歩道が一段高い道は、歩いてはならないことが分かってきた。
自転車がわがもの顔で走ってくるので、非常に危険。
したがって、私は4つの駅へ向かう場合も、図書館や小さな農園へ向かう場合も、めったに自転車が走ってこないマイ・ロードマップを歩くことにしている。もちろん、マイ・ロードマップには、車歩道分離道はほんの1部しかない。

自転車を走らせている人のほとんどが道交法を知らないし、守っていない。
日本は完全に車優先社会。
そして、危ない車道を避けるために自転車が堂々と歩道へ乗り上げてきている。
世界の先進国の中で、自転車が歩道を走っても違法にならないのは日本だけ。
いいですか。
自転車が歩道を走っているのは日本だけなのですよ!!
これは、車最優先政策がもたらしたもので、歩行者という弱者に被害が集中しているということ。

5月12日(水)のBSフジ・プライムニュースでは、「空前の自転車ブーム」 と題して、日本に交通維新をもたらさなければならない必要性を訴えていた。
何しろ20:00から21:55までの2時間近く長い番組。
見逃した方も多いと思うが、今なら下記URLを開くと、内容のエキス部分が前編と後編併せても30分くらいで視ることが出来る。
是非、開いてみてください。

http://www.bsfuji.tv/primenews/index.html

このテレビのエキス抽出版を視た人には、もはや解説の必要がない。
出席者の中で、NPO法人・自転車活用推進協議会の小林成基事務局長の発言がとくに面白く、参考になる。
ともかく、まず意識改革が必要だということがよくわかる。

車に乗って住宅を売り、現場のチェックをし続けていた時は、車以外の自転車やバスのことは何一つ考えたことがなかった。
「如何に効率的に目的地に着くか」、ということだけで頭が一杯。
ところが、日本では急激に高齢化社会がやってきている。
車が大威張りしている社会から、すでにドイツやフランスなどは、「車を制限する社会」に移行してきている。
日本は20年遅れているという。
ヨーロッパを参考にして、交通維新を行わねばならないという。

大都市間の移動は、高速のハイウェイが結ぶ。
しかし、都市の中心部や住宅の密集地では、自動車の最高時速が30キロに制限されているという。
1990年に法律で、そのようなゾーンの制定を決めたという。
中には15キロとか6キロという制限速度の地域があるとのこと。
比較的最近に、2度ばかりドイツを訪ねたが、制限速度30キロ地域にぶつかった記憶がない。
そのような話を、ドイツ人やドイツ在住の日本人からも聞いたことがなかった。
したがってこの発言は新鮮で、驚きであった。

パリは石の街。
道路を広げる余地がほとんどない。
その街で、一番大切にされているのは歩道だという。
たしかにヨーロッパでは、どの都市でも歩道を早朝散歩しているかぎりは、身の危険を感じることなく闊歩出来る。
これが、観光都市パリの魅力の一つでもある。

歩道へ自転車が乗り入れることは許されない。
自転車はどこまでも車道を走らねばならない。
そのパリで、バスと自転車の優先ラインは1995年には8.2キロに過ぎなかったが、2008年にはなんと400キロにもなり、今年中に500キロにもなるという。
15年間で60倍以上に延長されたという。

具体的にどんな方法をとったかというと、例えば今まで片道1車線の対面往復道路だったのを一方通行道路とし、そのうちの1車線をバスと自転車の専用道にした。
当然のことながら自動車が走れるところが狭くなり、大渋滞が2カ月以上続いた。
そして、3カ月目に入ったら、多くの人が自動車でパリへ乗り入れるのをあきらめ、地下鉄やバス、自転車に切り替えたという。
それだけではない。
パリの人口は217万人で、名古屋市と同程度。
この街に、年間4000円を払えば、30分間タダで乗れる自転車2万台を、パリ市の負担で投入したという。
その駐輪スタンドが1500カ所あり、300メートル歩けばスタンドにぶつかる。
このため、健康を兼ねて自転車を利用する人が急増している。
そしてガソリンの使用量も減り、CO2も削減されてきている。

もちろん、大都市と地方都市では政策が異なってこよう。
しかし、都心や住宅地の中で自動車や自転車の制限速度を設けることや、一方通行道を多くして歩道を確保するということは、どこでも採用出来る。
幹線道路は別にして、観光立国という点からも自動車に制限を加え、電柱を追放してゆくことは不可欠の事業
そして、バスと自転車の専用道路が出来れば、メタボ追放のためにも、自転車通勤を考える人が増えるだろう。
20年後の日本は、そのようになっているだろうか?



posted by unohideo at 06:37| Comment(1) | 海外情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

ヤリ始めて即日で7万ゲットォォォォ!!!!
http://lip.daizon.net/85rwm22/

ていうか俺、女にお任せしてティンポ出して寝てただけだぜ?www
ぶっちゃけ簡単すぎんだろこれ!wwwww
Posted by 俺の給料の半分が1日でwww at 2010年05月15日 16:54
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