2010年08月30日

木構造住宅普及策より日本を救うのは円高対策!


半年前に東大農学の安藤直人先生にお会いした時、「いまほど木構造建築に光が当たっている時はない。政府は100%どころか120%の支援をしてくれている」 と語っておられた。
かつて、杉山英雄先生が孤軍奮闘されていた30年前とは様変わり。
ところが、木構造のミサワ、住林、三井ホームをはじめとした木構造の住宅各社は、この潮の替わり目を活かしていない。
太陽光発電のみに血道をあげている。

4日前の日経新聞に、国交省は来年度の予算要求で、木構造住宅・建築の促進策として、今年度の2倍以上にあたる120億円を織り込む方針と伝えている。
今年度は「木のまち・木のいえ整備促進事業」として50億円計上していたが、来年度はこれを2倍以上の110億円を要求する方針。
国産材でつくる長期優良住宅に対して、工務店やメーカーに最大120万円を補助する事業は引き続き継続。
住宅以外で、養護福祉施設とか学校、病院など、構造と防火に優れた大規模木構造建築に対する応援姿勢を強く打ち出している。
安藤先生が 「120%の支援体制」 と言われたのは、決して過言ではない。
ただ、それを受け入れる業界側の体制づくりが、大きく遅れている。

さて、日本の国産材が不振に陥ったのは、外材の輸入にあると言われてきた。
そして、「その輸入を促進してきたのがツーバィフォー工法であり、輸入住宅である」   と目の敵にする的外れな論評が今でもささやかれている。
私どもがツーバィフォー工法のオープン化を勝ち取る以前から、日本で使われる木構造の60%以上が、外材に変わっていた。
それなのに、大径木から芯のない細い3寸角材などを製材して、材木屋さんは大工に売り込んでいた。芯去材の軸組工法よりも、スパン表が揃ったツーバィフォー工法が科学的であり、耐震強度も高く、防火性に優れている。
どうせ輸入材を使う以上は、軸組よりもツーバィフォー工法に変えた方が、消費者に安心と優れたデザインを提供出来る。
これが、ツーバィフォーをオープンな形で導入した時のビルダーのポリシー。
いささかたりとも卑下する必要がない。

日本の山林が疲弊したのは、目先にとらわれて広葉樹を伐採して山の頂上や谷峡まで、スギ、ヒノキの針葉樹を植えさせた林野行政の失政にある。
一方、山林地主を甘やかして過保護するのではなく、強制的に作業林道を敷設させ大型機械を導入させる。そして、生産性を大幅にあげるというヨーロッパ各国が採用していた基本施策を、林野庁は放棄してきた。
ここに、最大の問題点がある。
そして、日本の林業や農業に決定的な追い打ちをかけたのがプラザ合意。
ドルが金本位制の制約から逃れ、1ドル360円もしていた固定相場から、一転して200円台の円高にシフトさせられた。
国産材が国際的な価格競争力を失った致命傷は、アメリカによる円高政策にある。

しかし、日本の産業界は、とくに中小産業人は、この不当な円高を必死になって耐え忍んだ。そして、その後の円高の中にあっても、生産性の向上できちんと輸出をして日本の外貨獲得と経済の発展に寄与してきた。
しかし、中国の経済開放と大手メーカーの後進国への技術移転によって、80%を占めている日本の中小企業の企業基盤が損なわれてきている。
今、日本経済が停滞し、地方経済が空洞化してきているのは、こうした後進国の発展と言う避けることが出来ないグローバル化の影響。

民主党の財務大臣は、1年前には円高大歓迎を叫んでいた。
円高のメリットは、海外から割安で物が買えるということと、外国旅行が割安で気軽に行けるという点にある。
つまり、輸入木材は安いし、サッシなどの手当ても容易。
食料品や石油、鉄鉱石、石炭などの原資材も安く入手出来る。
女性は、ルイビトンなどの高級品を手軽に買える。
2年前は、ユーロは160円台にまでいった。それが現在は107円台。
なんと2/3の値段でヨーロッパへゆくことが出来、エルメスを買うことが出来る。

これに対して、円高のデメリットはなんといっても日本の輸出の急ブレーキ。
ヨーロッパ各国は、ギリシャによるユーロ安の恩恵で、とくにドイツは車をはじめ太陽光発電、サッシなどの工業製品の輸出でウハウハ。
隣の韓国はウォン安で、円高の日本に比べて輸出価格は5割近い大幅な割安で、日本は太刀打ち出来ないでいる。
こうしたデフレと円高政策の影響が、日本を真綿のように締め上げている。
そして、財界嫌いで労組寄りの民主党は、円高の影響を受けるのは財界などの経済界であり、庶民はメリットの方が多いと捉えている、と勘ぐりたくなる。
経済のことが分かっていない。
それほど無策で、デフレに対しても何一つ効果的な手を打っていない。
政策の正当性はともかく、こうした問題に具体的な提言をしているのは、現時点では 「みんなの党」 だけ。

2〜3年前、円が安かった時に、国産材の丸太は中国へ売れた。
農産物の輸出もひところは勢いがあった。
しかし、この円高で、日本のスギ材を輸入しようという諸外国の動きは見られない。
そして、北米や北欧からの大量の製材品の買い付けが続いている。
もし、円が30%安くなれば、国交省が予算を付けなくても、国産材が見直され、外国からのオファーも入ってこよう。

これは、何処までも私の素人考え。
日本の輸出は、これからは高度な技術が必要な高度加工部品が中心になってゆき、自動車や家電などは海外での生産が中心になってゆくであろう。
法人税の高い日本から海外への生産基点の移転は避けられない。
そして、日本のこれからの輸出の中心になってくるのが木材製品であり、安全性とクォリティの高さで信頼のある農産物になるのではなかろうか。

それには、日本政府と日銀は、命をかけて円高を阻止し、30%の円安を出現させなければならない。
そして、この円安が出現出来れば、日本人の海外旅行は難しくなる。
だけれども、逆に海外から多くの観光客が気軽に日本を訪れるようになる。
日本を観光立国に脱皮させ、木材と農産物の輸出で地方を活性化させねばならない。
観光立国を完成させるためには、見苦しい電柱を地下へ埋設させる投資を、国交省は率先して進めねばならない。

誰が、この大事業をやってくれるのか。
今朝の日経新聞の世論調査では、首相にふさわしいとして挙げたのは菅氏73%に対して小沢氏はたったの17%。
読売新聞や毎日新聞の世論調査を見てもほぼ同じ。
農家に対するバラマキ予算で、票のことしか考えていない小沢氏は、農産物輸出時代の首相としては失格者。絶対にふさわしくない。
かといって、私以上の経済音痴の菅氏を手放しで讃えることも出来ない。

日本を、根本的に構造改革してくれるのは、一体誰なのだろうか?



posted by unohideo at 10:59| Comment(1) | 木質構造と林業・加工業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

女もヤりたい時ってあるんだな!!
ホテル行ったんだが、部屋に入ったとたん全裸にされちまったよ!!

まぁ俺は寝てるだけで、ずっと女が腰ふってたんだけど(笑)
7万もらって寿司までゴチになったし、最高の一日だったぜ(* ̄ー ̄)v
http://13unh1n.ray.furuban.info/
Posted by どんだけやる気満々なんだよ! at 2010年09月01日 23:03
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