エコプロダクツのことは省いて、日本学術会議シンポジュウムのことだけを取り上げようと考えていた。
そしたら、仲間からエコプロダクツのことにも簡単に触れてほしいとのメール。
実はシンポジュウムの時間が迫っていたので、うっかり撮り忘れたブーツが何ヶ所もあり、中途半端になるので掲載中止を考えていた次第・・・。
そんなわけで十分に意は尽くせないが、手元にある写真だけで紹介したい。
毎度のことだが、エコプロダクツの会場は、向かって廊下の右側の東1ホールから東3ホールと、左側の東4ホールから東6ホールと大きく分かれている。
右側の東1から東3ホールには、政府や自治体・家庭用品・食品・流通・製紙・精密機械・ケミカルなどが展示されている。どちらかというと小さなコマが多い。
これに対して左側の東4から東6ホールは、家電・建材・電気ガス・自動車など大きな企業の出品が多く、コマの規模も大きい。
私は商売の関係上、いつも左側の東4から東6ホールを先に見て、余った時間で右側の小さなブースを見て歩いていた。
右側のホールは、ついでに参考までに見て回っていたということ。
しかし、今年は趣向を変えて右側のホールを中心にして回って見た。
その結果、次のことが分かった。
(1) 小学生を含めての参観者が、右側のホールの方が開場早々から40%程度も多い。
(2) これは、左側の大手メーカーは会社全体の省エネ動向を平面的に開陳しているだけ。
つまり、体裁を考えての展示であって、個々に面白い商品や技術の展示が少ない。
(3) したがって、自動車を除いて左側のホールは全体的に魅力が乏しい。
その魅力の乏しいホールを、昨年までの私は主体に回っていたので得るものが少なかった。
(4) これに対して右側のホールの比較的小さなブースに面白い展示が多い。
完成度は低いが、これからの商品や技術の萌芽が見られる。
ということで、これから紹介するのは必ずしも完成度が高いとは言えないが、チェックしておくだけの価値があると印象に残ったもの。
まず、最初に取り上げるのが広島県のブースに出展していた寺田鉄工所の自然循環式太陽温水器。
写真のように丸くて細長い眞空ガラス管を使っている「サナース」で、最大で200℃の温水が得られるという。
驚いたのは価格。今までの常識の半分以下。
コントローラーを含めて一式の定価が、155リッタータイプで約14万円。工事費を含めても20万円で上がるだろう。
これだと、下手な太陽光よりは魅力がある。
これは、NEDOのブースに展示してあった「エリアンサス」という東南アジア産の植物。
何しろ成長が早く、背丈は人間の2倍から3倍近くにまで伸びる。
もちろん食料にはならない。
どこまでもバイオエネルギーの原料。
ところが、この植物についての細かな資料はないかと聞いたら無いと言う。
3人にいろいろ聞いたが、目玉商品のはずなのに誰も肝心な点が答えられない。
不勉強を追及したいが、面白い発見ではあった。
これは一体何?
しばらく考えていたが分からない。
聞いてみたらルーム・チューニング機構で新しい音響効果を提供するAGC(Acoustic Grove System)だとのこと。
たしかに、オーディオルームの音響設計に悩まされることが多い。
どれほどの効果があるかは分からないが、このカタログは引き出しの中に入れておくだけの価値はありそう。
これは、「コルエアダクト」といって、栗本鉄工所が開発したもの。
芯は段ボール。表面をアルミでカバーした新しいダクト。
ダクトの熱貫流率は2.04Wというから、亜鉛鉄板に24キロの断熱材25ミリを巻いたものよりは劣る。
しかし、軽量で運搬はフラット状態で行え、加工や施工がいたって簡単。
このため、従来の断熱材を巻いたスパイラルダクトの半値だという。
工場や倉庫などのダクトには非常に有力。
フレキシブルダクトが全盛の住宅用に、果たして使えるかどうかは未知数だが、面白い。
レンゴーのブースの床と壁が、段ボールの積層板で構成されていた。
29ミリ厚の合板に匹敵する段ボールが、そのままステージの床に使われている。
これだと、仮設建築物の場合は設置も解体も非常に簡単。
あなどれない強度にびっくり。
厚さ7ミリ程度の名刺状のもの。
もらったが、一体何かが分からない。
家に帰って封を切ったら中から30枚の程度のカラー写真が出てきた。
材質は堅くて薄いプラスチック系。そして、裏には白黒で設計士の顔写真やデザインされたピースが印刷されている。
これを見たら、設計士には下手な名刺を持たせるよりは、全員にこの完成写真カラーのカード集を持たせた方が、「訴求力と強い印象を施主に与えことだろう」と考えさせられた。
これはすごい営業ツールになる。
ただし、営業マンに持たせても効果が低い。第一線で施主と常に接触している設計士に持たせてこそ、絶大な効果があろう。
このほかに面白い商品や技術が数点あったが、写真がないので省略させていただく。
そして、何と言っても話題を集めていたのはEVなどのエコカー。
これは、学生が作った車。
トヨタは、今までになく、内蔵の全てが見える車を展示して注目を集めていた。